41度の告白

紅茶と猫が好き。日記、時々まんがと本の感想。

美しき

今日は原田マハ『美しき愚かものたちのタブロー』を読みました。お供おやつはスナックミーのおかき揚げあんこ。あまじょっぱい。

 

原田マハさん、名前だけ見てて読んだことはなかったのですが、人からオススメされたのを思い出したのと、あと、なんか、疲れてたんだと思う…小説が欲しかったんだと思う…現実を少し離れたかった、せっかくの機会だしってことで手を出してみることに。

 

たった一枚の絵(タブロー)に人生を掻きまわされた人たちが、皆が皆、大儀を抱えながらも、でもどんな理由よりも「絵が好き」というだけで行動していた。身一つで西洋美術を学ぶために突き進んだ田代が眩しい。まだ美術館のなかった日本に、若者のために美術館を作ろうとコレクションを収集した松方の生き様はしたたかで、そして光の側面だけでなくて、日置のように絵と時勢によって辛酸をなめた人生をも描きだす。彼らの生き方は美しくも見えるし愚かにも見える。でも絵はそこにあり続けて人々から心で鑑賞されるのを待っている。

個人的には、日置のように、決して絵によって救われただけではない人生をちゃんと描いているのもいいなあと思う。ジェルメンヌのラ・ラ・ランドみたいな読了感がする。

 

原田マハの著作、タイトルとか経歴見る限り、美術関連の史実に基づいたフィクション多めなのでは…?めっちゃ読みたいー余裕ができたら漁ろう。

 

久々の小説だった~~楽しかった~と思ったら2月前にキノ新刊を読んだの思い出した。読んだらすぐ忘れる…